エポキシってなに?
“熱や光で固まる、とても丈夫なプラスチック”
エポキシは強固なプラスチック材料の一種です。エポキシ化合物を硬化剤と混ぜて熱や光をかけると、化学的に反応し、分子同士が3次元で繋がって丈夫な硬化体を形成します。この硬化体は非常に強固で化学的に安定しており、高い接着力や耐久性、電気絶縁性などの優れた性質を有することから、様々な用途で使用されています。

エポキシが使われている身近なモノ
接着剤をはじめ塗料、電子材料などに使われています
エポキシは、接着剤、コーティング、自動車や船舶などの塗料、土木建築材料、テレビやスマートフォン・PC等の電子機器の部品などに使われています。身の回りの様々なところで利用され、私たちの暮らしを支えています。

強固な構造体 "エポキシ"
接着剤をはじめ塗料、電子材料などに使われています
エポキシは化学反応によって分子同士が結合し、強固な構造体を作ります。その構造体は非常に安定かつ丈夫で、様々な環境変化や過酷な条件にも耐えることができます。
エポキシの代表的な11の性能
01:接着力と機械的強度
エポキシは、硬化させると非常に強力な化学結合が形成され、一度くっつくと剥がせない程の接着力を発揮します。それによって、高い接着力と機械的強度を発現します。
Q.エポキシはなぜ接着力が段違いなのか?
A.分子が三次元的に結びついているから
エポキシの高い接着力は、三次元的な分子構造に起因します。エポキシは材料の表面によく密着し、化学反応によって三次元的なネットワーク(三次元架橋)を形成します。このネットワークは非常に強力であるため、接着剤として優れた性能を発揮します。
02:長期間の耐久性
エポキシは、高温、低温、高湿環境に晒されても劣化しません。エポキシは化学的に安定であるため、外部のストレスや環境変化に強い耐久性を発揮し、長期間にわたり高い性能を維持します。
03:耐水性・耐湿性・耐薬品性
エポキシは水や湿度の高い環境に置かれたり化学薬品に触れても変化せず、高い強度と安定性を保つことができます。
04:熱硬化性
エポキシは熱をかけると固まり、高い強度と耐久性を有する硬化体を形成します。
05:光硬化性
エポキシの中には紫外線などの光で固まるタイプもあります。光硬化タイプのエポキシは、特定の波長の光にさらされると化学反応し、固まる特性を持ちます。
06:電気絶縁性
エポキシは絶縁性が高く、電気の通過を防ぐ性質があります。電気絶縁性の高さは、電子部品において、電気的な絶縁が必要な場面で重要な役割を果たします。
07:硬さと色のバリエーション
エポキシはバリエーションが豊富で、柔らかくしなやかな材料から、非常に硬い材料まで、幅広い範囲で調整することができます。また、透明なものや白色、黒色、有色など、色調も自由にコントロールすることができます。
08:低粘度・易加工性
エポキシは、硬化する前は液状、もしくは見かけは固体状であっても加熱などによって液状化するものが多く、狭い場所にも綺麗に塗布したり、成型したりすることができます。また硬化した後は固体状となり、強固な構造体となります。
09:低汚染性
液晶ディスプレイの組立にエポキシは接着材として使われています。エポキシは固まる際に成分が溶け出しにくい性質があります。そのため、液晶と固まる前の液体状のエポキシが触れ合っていても、液晶中に溶出することがありません。このような性質により、液晶ディスプレイの高い表示品質を保つことができます。
10:低伝送損失
電子機器や通信で使われる信号が伝わるときに、その信号が遅くなったり弱まったりすることを伝送損失と言います。特に高周波信号では伝送損失が増加しやすい傾向があります。エポキシは設計次第で伝送損失を抑えることができ、高周波信号が用いられる高速データ通信や情報伝送の部材として適しています。
11:低反り
エポキシは強靭で剛性が高く、低反り性に優れた材料です。熱や物理的ストレスなどに対して変形しにくく、安定した形状を維持することができます。このため様々な用途で信頼性が高い素材となります。